開催日時:2012年03月10日(土) 14:00
会 場:青年文化センターコンサートホール
コンサートによせて
「時の終わりへの四重奏曲」は第2次大戦中、ドイツ軍の捕虜となったメシアンが、たまたま同じ収容所にいた音楽家たちと収容所内での演奏会で演奏するために書いた作品です。極限状態で書かれ、極限状態で演奏されたこの曲の初演は現代音楽でありながらそこにいた捕虜たちの心を強く打ったといいます。作品はカトリックの影響を強く受けていますがその音楽によるメッセージは普遍的で宗教の枠を越えていると言っても過言ではありません。
なぜこの作品をあえてこのときに取り上げるのか、それはこの曲に触れるとき、あの3.11のことが思い出され、言葉にできない様々な感情がよみがえるような気がするからです。
ちなみに、一般的には「世の終わりのための四重奏曲」と表記されますがどうやらこれは誤訳らしく、「時の終わり」が正しい訳のようです。「世の終わり」というと悲観的な感じを受けますが本来の名前「時の終わり」の先にあるのは「救い」です。激しい感情、葛藤を超えて救いにいたる道が音楽で示されます。
メシアンのほかには2曲の委嘱作品を取り上げます。仲沼君、江村さんはそれぞれ、福島在住、仙台出身という若手作曲家です。お二人には「希望を感じられるような美しさを持つ曲を」とお願いしています。3会場それぞれに多くの皆様と共に「音楽を通して祈りをささげる」時間を共有できたら幸いです。
叶光徳
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