~出会いの場所で~
ここで音楽に出会い、ここに育ってきた。
仙台城址から見た朝焼けの眩しさ、広瀬川のせせらぎを聞きながら感じた温もりはそのまま僕自身の音楽へと結びついていった。エルパーク仙台には小太鼓を運んで足しげく稽古に通った。再び仙台でリサイタルをするにあたって、「ヴィブラフォン」という楽器の魅力、「いまを生きる作曲家の紡ぐ音楽」の面白みを知って頂きたく思った。
楽器の持つ芯からの「声」に耳を傾けた間宮芳生先生の幽玄の境地。強烈な個性を持つ山根明季子さんのヴィブラフォンで象る幾何学文様の世界。ドイツで教鞭をとられる稲森安太己さんの作品には都会的なセンスと古典への敬愛を感じる。楽器の持つ暗部に徹底して自己を投影する清水一徹さんの世界は現代人の持つ不安感を浮き彫りにする。仙台出身、ブエノスアイレスで音楽を学んだ咲間貴裕さんのラテンを感じる美しい編曲
作品、鹿児島県在住の田口和行さんが描く奄美の民謡をモチーフに失われゆく文化への哀歌。そして今回、岩手大学で教鞭をとられる白藤淳一氏が作品の魅力や聞き所を解説する。
奇しくも8月5日夕刻は仙台七夕前夜祭の花火が打ち上がる日。色彩溢れる花火の前の昼下がりに、音の万華鏡をお届けしたい。
<曲目>
山根 明季子 作曲(b.1982) ポップでカラフルな、毒
稲森 安太己 作曲(b.1978) 鋭利な都会的現実主義
清水 一徹 作曲(b.1976) 現代の暗部を辿って
白藤 淳一 作曲(b.1981) 儚き響きを追って
ガルデル作曲(咲間貴裕編曲 b.1972) 遥かなる風を感じて
田口 和行 作曲(b.1982) 南国からの息吹
間宮 芳生 作曲(b.1929) 楽器の「声」の幽玄
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